ブランドストーリー


捨てる灰が、暮らしの一部になる。
セメントは、建築や土木工事に欠かせない素材です。丈夫で長持ちし、世界中で使われています。しかし、その製造には、最終処分場で埋めてしまうしかない灰や様々な廃棄物が活用されていることをご存じでしょうか?
本来であれば、埋め立てられるしかなかった灰や様々な廃棄物。それらを資源として活かし、新しい形に生まれ変わらせるのがセメントの持つもう一つの側面です。価値のなかった灰が、頑丈な建築材料となり、そしてさらにインテリアの一部としても息づく。不要だったはずの灰(Ash)は、やがて洗練されたグレー(Grey)へと姿を変え、暮らしの中に溶け込んでいきます。
セメント1トンを製造する過程で、約473kgもの廃棄物が資源として生かされています。
セメントの原料には、火力発電所からの石炭灰、製鉄所のスラグ、浄水場や下水処理場から出る汚泥などが再利用されています。また、使えなくなったプラスチックや古いタイヤなどの可燃廃棄物も、化石燃料の代替として活用されています。
このようにセメントは廃棄物の処理役として大きな社会的役割を担っているのです。しかし、現在建築や土木でのセメント使用量は時代の需要に合わせ、数を減らし続け、それに従いセメントプラントでの廃棄物の処理量も減り続けています。
私たちは、これまでセメントが使われてこなかった新たな用途に目を向け、このプロダクトを生み出しました。確かに、この小さなプロダクトで使用されるセメントの量はわずかです。これ自体が廃棄物問題に与える影響はごく僅かかもしれません。
しかし、これを手にした人が、「セメントっていいよね」と感じ、セメントそのものの魅力や役割に気づくことで、社会にセメントの用途が広がるムーブメントが生まれるかもしれない。そんな想いを、このブランドに込めました。
灰色の中に、新しい意味を。
何気なく手に取ったそのプロダクトは、実はそんな背景を持っています。
セメントと廃棄物の関係については以下のページにて解説しています。