セメントと廃棄物の関係
セメントには廃棄物が活用されている
greyの製品の原料であるセメントは、実は製造過程において廃棄物が活用されています。セメントを作っているセメント業界では、様々な産業や自治体から出る産業廃棄物や副産物の受け入れが昔から行われており、廃棄物の削減のための取り組みが行われています。2023年のデータによると、セメント1トンの生産につき約485キロの廃棄物処理が可能(※1)とされており、年間で東京ドーム15個分に相当する約2,500万トンもの廃棄物・副産物が処理されています(※2)。

セメント製造における廃棄物の活用方法
廃棄物は、以下のようにセメントの原料や代替エネルギーとして有効活用されています。
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セメントの主成分を含む廃棄物を原料として再利用
廃棄物の例- 火力発電所から排出される石炭灰
- 製鉄所から排出されるスラグ
- 浄水場や下水処理場から出る汚泥 など
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可燃廃棄物の熱量を化石燃料の代替として利用
廃棄物の例- 使えなくなったプラスチック
- 古くなった車のタイヤ
- 肉骨粉 など
- 可燃廃棄物の燃え殻をセメントの原料として使用
廃棄物がセメント製造に利用されるメリット
セメント製造における廃棄物の活用には、以下のような環境面でのメリットがあります。
- 最終処分場の延命効果がある
- 普通の焼却炉で焼く可燃廃棄物の量を減らすことができ、石炭などの大切な天然資源を保存できる
- 可燃廃棄物の燃え殻も再資源とできるため二次廃棄物が出ない
- 焼成過程において1450℃の高温を利用するため、ダイオキシン類等の有害物質を安全に分解することができる。(セメント製造過程においてCO2が排出されますが、上記の特長を踏まえると、社会全体での温暖化ガス削減には寄与していると考えられいることが報告されています。(※1))
最終処分場の延命効果:差し迫る課題
最終処分場とは、廃棄物を埋め立てて最終的に処分する施設のことです。環境省の2022年のデータによると、日本の最終処分場の残余年数は、一般廃棄物が24.8年、残余容量95,751千㎥、産業廃棄物が19.7年、残余容量は1.7億㎥です(※1)。遠くない未来にごみの行き場がなくなる可能性が差し迫っていることから、セメント産業の廃棄物活用による最終処分場の延命効果はとても注目されています。
環境省の2022年のデータによると、1年間に排出される産業廃棄物の量は5億3500万トンで、そのうち2億226万トンが循環利用されています。セメント業界の報告によると、2022年度のセメント製造過程おける廃棄物処理量は約2490万トンで、これは循環利用されている全体量の約11%に当たります(※2)。もし、セメント産業が廃棄物・副産物を受け入れなかった場合、最終処分場の寿命は5〜6年も早く尽きてしまうとも言われており、セメント産業による廃棄物の有効利用は、最終処分場の延命化のための重要な一つの手段となっているのです。
環境省の2022年のデータによると、1年間に排出される産業廃棄物の量は5億3500万トンで、そのうち2億226万トンが循環利用されています。セメント業界の報告によると、2022年度のセメント製造過程おける廃棄物処理量は約2490万トンで、これは循環利用されている全体量の約11%に当たります(※2)。もし、セメント産業が廃棄物・副産物を受け入れなかった場合、最終処分場の寿命は5〜6年も早く尽きてしまうとも言われており、セメント産業による廃棄物の有効利用は、最終処分場の延命化のための重要な一つの手段となっているのです。
最終処分場新設の難しさ
今ある最終処分場がいっぱいになってきているのなら、新しいものを建設したらいいじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、最終処分場はそう簡単には作れません。環境への影響が少なく、かつ広大な土地や水面を見つけること、また、近隣住民の合意を得ることが求められるため、新たな最終処分場の確保は難しいと考えられています。私たちが今享受している衛生的な日常生活を維持するためには、最終処分場の延命化が不可欠なのです。
減少する廃棄物処理量:新たな課題
セメント産業は廃棄物問題の解決に大きく貢献してきましたが、セメントの需要が年々低下しており、セメントの生産量が低下、そして廃棄物の処理量も減少傾向にあります。この状況は最終処分場の残余年数にさらなる圧力をかけ、問題をより深刻化させる可能性が考えられます。
セメント国内販売量の推移

greyでの取り組み
greyでは、セメントが廃棄物の再資源化に貢献してきたこと、また、その循環機能が弱まりつつあることから、セメントの新たな用途としてインテリア雑貨の開発を行っています。製品一つの使用量は微量かもしれませんが、生活に取り入れることでセメントの魅力や意義に気づくきっかけとなり、greyを通して新たな循環の意識を社会に広げたいと考えています。
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